代表理事 挨拶

JESAの目指すところ~次の時代を担う救急救命士の育成に向けて~

代表理事からのメッセージ

JESAは平成8年に民間救急救命士養成施設の協議団体として産声をあげました。

以来25年が経過し現在までに民間で救急救命士の養成を行う民間施設は、大学機関18施設、2・3年制専門学校27校となり、定員数で2,500名(全救急救命士育成の65%超)と救急救命士養成の主軸を担うようになっております。

 

一方、救急救命士有資格者は5万6千人を超え、全国救急車への充足率は98%となっています。消防機関にとどまらず警察・海上保安庁・自衛隊・など法的執行機関にも救急救命士採用が勧められるようになりますますJESAの役割は多くなってきております。

 

この公的組織の救急救命士採用拡大とともに、民間においても公的機関を退職した救急救命士の活用が始まり、民間警備会社への採用、3次病院でのERやドクターカー運行・2次病院ERや病院救急車での病院間搬送、地域包括医療下での活動、警備会社、民間搬送会社での活動、マスギャザリングイベントやアミューズメントパークにおいてJESA卒業生の救急救命士が活用されています。 

  

今後2020年に開かれる東京オリンピックなどでも救急救命士の活躍が期待されています。また人口の高齢化とともに顕在化している救急医療体制の救急救命士への社会のニーズの変化によって職域や活動範囲が変容してきており、25年前に制定された救急救命士制度は現在大きな転換点を迎えています。

 

JESAとして救急救命士への社会的な要請の変化に迅速に対応していかなければなりません。このような状況のもと、再び会員校の皆さんの推挙をいただき、このたび代表理事をお引き受けさせていただくことになりました。この大きな転換期においてJESAがなすべきこと3点を改めて示し会員校の皆さんとともに進んでいきたいと考えております。 

  

まず、一つ目に「全国の法執行機関(消防・警察・海上保安庁・自衛隊)に求められる優秀な救急救命士を輩出しつづけること」です。これは当協議会の重要な到達目標であることですが、この目標を達成するため各JESA会員校は学生とともに切磋琢磨し高い救急救命技術と、確かな医学的知識に裏付けされた学生を養成し、救急救命士学生の就職率改善・国家試験の合格率を高めることに全力を注いでいただきたいと思います。 

  

二つ目に、良い学生を指導するJESA教員の皆さまに対しても、継続研修の場を提供し、レベルアップを図るための教員研修の組織としても存在したいと思います。救急救命士教育を行う者のプロフェッショナルオートノミーを刺激し、継続的な教育者としての学びの機会を提供していきます。さらに一定のレベルに達している教員をJESA認定教員として認定し指導レベルの向上を図ります。また民間に所属する救急救命士として民間救急救命士を認定する病院前救護統括体制認定機構と連動して資格認定(統括医師・認定救急救命士)・施設認定を行い、質の担保を行います 

  

三つ目に、救急医療体制(EMS)を担う組織として社会への発信をいたします。

MC協議会・JPTEC協議会・日本臨床救急医学会・各種検討会はもとより、国内外の連携・救急救命士国家試験委員の委嘱、救急救命士国家試験の在り方委員会などの構成員として諸問題に臨機応変に対応してまいります。救急救命士の処置範囲の拡大や職域の拡大に前向きに尽力します。その一環として公務員以外の消防に属さない救急救命士の利活用をはかり、再教育体制を整備しました。より効果的な病院前救急医療体制を構築するプロセス(https://www.abpmo.org/index.html)の中でJESAの果たす役割が高まってきています。 

  

今後も、理事会・社員総会ではフェイストゥフェイスで十分な議論をしつつ、新しい問題には迅速に対処するとともに、できるだけWEB会議を活用して解決をはかります。

2018-2020年はまず上記の3点に焦点を絞りJESA事業を展開したいと考えております。またWEBページやSNSなどを活用しJESAを広く社会にアピールしていきたいと思います。しかし、これらの社会的責任を果たしてゆく鍵は会員校の絆です。 

  

協議会の成長は会員校の成長と連動します。日本の救急救命士教育の発展と成熟に貢献していくためにも理事会を代表して、あらためて、JESA会員の皆様のご理解とご支援を願う次第です。 

 

平成30年8月吉日 

 

JESA 代表理事 田中 秀治 

国士館大学大学院 救急システム研究科 研究科長